日本人と中国人

思い込みがないか,自分の文化を疑ったことはありますか?

「だいじょうぶ」に要注意!

祝福に満ちた結婚式を終え、私たち日中夫婦の新婚生活は希望とともに始まった。

新婚生活といえば甘いラブラブなもの・・・と思うかもしれないが、私たちの場合それは大ハズレ!新婚生活はラブラブからは、程遠いものだった。生活開始のその日からよく珍事件が起きたのである。誰でも結婚すれば、違う環境で育った二人なので思いどおりにいかないのは覚悟していた。

でも夫の言動に対しては「どうして?」の連発だった。

とにかくなんて「変わった人」と結婚してしまったのかと思っていた。


珍事件の中でも新婚早々発生したのが「ゴミ捨てだいじょうぶ」事件である。
ご存知の通り日本では随分前からゴミの分別ルールが定着していた。当然私も一つ一つ分けていた。そこへ夫が来て「別にそんなの分けなくてもだいじょうぶだよ。」と言う。私は「ちゃんとやらないとダメだよ。」と抵抗したが、夫は

「そんなに気にしないで。だいじょうぶ。だいじょうぶ。」

と引かない。この「だいじょうぶ。」がクセモノである。聞いていると「そうかなー。」という気になってくる。ヤケに説得力があるのだ。可愛い妻でいたい気持ちもあって「まっいいか。」と分別しないで捨ててしまった


しかし、どこにも親切なおばさんというのは、いるものだ。その日ご近所のおばさんが、わざわざゴミを調べて我が家にやって来た。しかも私の捨てたゴミ袋を片手に持っていた。

「ま。まずい。どーしよう。知らんぷりしちゃおーか。」ところが敵もさるもの。「OOさん。このゴミOOさんのでしょ?ほら。」と言って袋からパッと何かを取り出した。見るとそれは中国語のラベルの缶カラではないか。

あっりゃ~。
「すみませーん。」と平身低頭謝ったが、顔から火が出そうに恥ずかしかった。ああ、あの「だいじょうぶ」を信じなければこんなことにはならなかったのに・・・。いやそれより彼と結婚しなければ・・・などと考えはどんどんマイナス方向へ落ち込んでいく。
そして、彼が帰ってくるなり、思いっきり文句をぶちまけた。当然謝ってくれると期待して・・。ところが、彼から帰ってきた言葉はやっぱり
「別に、だいじょうぶだよ。」
ハー?何がだいじょうぶなの?ゴメンナサイは?と思ったが、なんか気が抜けてしまった。またこの「だいじょうぶ」に説得されてしまったのである。(ちなみにその後ウチではゴミはちゃんと分別してマス。)
というわけで,皆さん。

中国人の「だいじょうぶ」には要注意!