日本人と中国人

思い込みがないか,自分の文化を疑ったことはありますか?

ピピピっで、スピード結婚

わたしは、よくセミナーで中国と日本の文化について話をする。セミナーの始めはとっても緊張してしまう。わたしもそうだけれど、聞く側はもっと緊張しているように思える。

そこであいさつ早々「二人のなれ初め・・・・聞きたい?」とイタズラっぽく尋ねると、それまで硬くなっていた参加者の表情がぱっと柔らかくなり、期待で、目がキラキラっと輝く。こういう話が好きなのは、全世界共通なのね。きっと。そこで、今日はちょっと照れるけど、どこでも語ったことのないプロポーズのことも書いてしまおう。


 最初の出会いは、忘れもしない学生時代。大学卒業間近な、12月の寒い日だった。舞台はある会社のパーティ会場。わたしはアルバイト生としてそこに参加していた。そのパーティは、ものすごく退屈でわたしは、ひとりポツネンとしていた。そのとき人垣の向うに、やはり、一人でいた中国人の彼とパッと目が合ってしまった。

ジャジャ-ン!

映画ならここで、BGMが入ってくるはずである。これは、本当に正直な話しだが、この瞬間にわたしはピピピっと「出会い」を直感してしまったのだ。なんと彼のほうもピピっときたようで、近づいてきて「何か飲み物でも持ってきましょうか?」と声をかけてくれた。やった!それをきっかけに自然に会話が始まっていった。

何を話したかナー?よく覚えていないけれど、わたしは理屈っぽい方で、社会問題とか、海外事情について議論するのが好きだった。これが日本人の友人の間ではどーも浮いてしまってこういう話しがしづらい。しかし、彼とはそんな堅い話が思いっきりできて、とっても楽しかった。二人とも英会話にも興味があって、「今度いっしょに勉強しましょう。」というのが、デートの始まりとなった。考えてみるとちょっと変わったデートかも・・・


そしてプロポーズ。それは、予想をはるかに越えて早く、突然にやって来た。付き合い始めて1ヶ月ほどして、レストランで食事をしていたときに、
「いっしょにアメリカに行きませんか」
というセリフだった。これには、その頃二人が夢として持っていた「アメリカで仕事をもって暮らす」という思いが込められている。生まれて初めてそして最後の瞬間であった。そして話があれよっと進んで、知り合って3ヶ月のスピード結婚となった。


 結婚式は、普通の市民会館のような場所を借りて、牧師さんを呼びキリスト教式で行った。このとき彼があまりにも形式にこだわらないので非常に驚いたことを覚えている。招待状もお色直しも引き出物もない。でも、おかげで、親しい友人が集まってアットホームな楽しい結婚式になった。(おまけに安かった。)

 

まずは快調なスタートだ!